[News Letter]サプライチェーン+AIカオスマップ/加熱するボイスプラットホーム競争/ヘルスケアAIでの調達が多数
Hike Ventures News Letterのバックナンバーです。
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Hike Ventures News Letter Vol.9 (12/1)
お世話になります。Hike Ventures (ハイクベンチャーズ) 安田でございます。今日もAI関連のトピックをお届けします!
以下の図は、弊社で作成中のサプライチェーン+AIレポート内のカオスマップです。
サプライチェーンは、1990年代から始まったSCM、ERP導入やWeb EDI等により企業内・企業間の情報やワークフローの電子化が進んできましたが、AIの活用により需要予測から倉庫・店舗における作業まで、様々な業務を自動化できる機会が生まれています。さらに、人材不足・人件費高騰は、サプライチェーンの様々なプレイヤーで深刻な課題となっており、AIやロボットの導入は今後進むことが予想されています。
今回のレポートでは、サプライチェーン内の業務をグループ分けし、各グループの課題をAIを使って解決しようとしているスタートアップを約120社調査し、30社のスタートアップについて詳細のレポートを作成しております(汗)
12月中にレポートを完成させてリリースする予定です。(レポート本体は有料でのご提供となります。)ご興味ありましたらご連絡ください。
【トピック】
リテール
Amazon Go一般公開間近か
!?
2017年の初旬に一般に公開予定であったAmazonGo(無人レジ店舗)ですが、技術的な問題により延期されてきました。内部の人の話によると、様々な技術的な問題が解決され一般公開の時期が迫っているという。Amazonは、Amazon GoをWholeFoodから始めるのではないかと予想するアナリストも。
ボイスコントロール
- GoogleがAssistantの新機能を発表。よりディベロッパーフレンドリーに
ボイスアプリでは、ユーザに見つけてもらうのとエンゲージメントが最大の課題。Googleは、AssistantのボイスアップのディレクトリやWhat's Newなどのコーナーを設けてアプリの露出を上げる機能と、ユーザがアプリの名前を覚えていない場合でも特定のキーワードでアプリを呼ぶことができる機能(implicit discovery)などを発表。またGoogle Homeで始めた会話をディベロッパーのアプリへ引き継げる機能(例:声で検索してアプリ上でオーダーを完了等)や、ディベロッパーが指定したタイミングでのアカウントとの紐付け、プッシュ通知などエンゲージメントに役立つ機能もリリース。
- AmazonもAlexa Skillに通知機能をリリース、さらに声によって特定のユーザを判別可能に
通知は、ライトと音によってユーザに知らされる。ワシントンポストやLife 360などと初期テストを行った。ユーザは、"Alexa, What are my notifications?"と, 通知の内容をAlexaに尋ねることができる. この機能はこれまでも限られたSkillでは利用可能であったが, 今後段階的にディベロッパーにオープンにしていく. 同時に, 声によって誰が語りかけているかを検知しパーソナライズしたサービスを提供できるようになる機能もディベリッパーに提供していくことを発表。
- Baiduがスマートスピーカー・ミニロボットRavenシリーズを発表
同社のボイスプラットホーム DuerOSを使ったスマートスピーカーRaven Hを中国において来月から$256で販売を開始。また、ホームロボットのRaven R, Raven Qも発表(発売時期は未定)
mazonがAWSコンピュータビジョンRekognitionを大幅アップデート
大きなアップデートは、画像中のテキストの読み取り、リアルタイム顔認識。顔認識では、5-10倍の検索スピードで10-20倍の顔データのコレクションを検索可能。また、制度も10%向上した。さらに、一つの写真から最大100の顔を認識可能となった(従来は15人)。また、これ以外にも音声→テキスト変換(Transcribe)、翻訳(Translate)、Comprehend(自然言語処理)などを相次ぎ発表。
ZyngaがCSR2にAR機能を追加
ユーザは人気レーシングゲームCSR2内でカスタマイズした車をAR上で表示し、いろんな角度で車を見たり一緒に写真を撮ったりできる。Apple ARKitに対応し、iOS11で利用可能。
ポルシェがテクニシャンのリモートサポートにARを導入
ポルシェは、Atheer AiR Enterpirseのソリューションを利用して、ディーラーのテクニシャンがARグラス経由でアトランタにいる専門家からアドバイスを受けることがきるようにする。これまでの実験では、サービス時間を40%短縮できた。ARグラスは最終的にベンダーを選定中だが、公開された写真では、EPOSON製が利用されている。
自動車関連
Appleのサイエンティストが自動運転に関する研究を発表
秘密主義のAppleにとっては初となるAI関連のリサーチレポート。レポートでは、LiDARのみを利用して歩行者や自転車をより詳細に検知できる技術について書かれている。Lyftがカリフォルニア州での自動運転の許可を取得
ただし、現在のところLyftが自社のテクノロジーをテストするのか、提携先のFord, GM, Wymo, Nutonomy, Drive.ai, Jeguar Land Roverのいずれかの自動運転車を利用するかは不明。
UberがVolvoから24,000台のXC90を購入
Uberは、ピッツバークにてVolvoのXC90を使って自動運転技術のテストを行ってきた。XC90は、2019年から2021年にかけて納車され、Uberは自社の自動運転技術を車体に取り付ける。現在Uberのドライバーは200万人であるため、24,000台は割合的には少ないが、Uberは自動運転の実現に向けて進んでいる。英国が自動運転とEVを促進
UK政府は、無人の自動運転テストがしやすいように法律を変更することと、EVのチャージングステーションに$530M、EVの購入に対して$132Mの補助金を出すことを発表。3年以内に完全な自動運転車を走らせることを目指す。
Waymoの自動運転車が累積で400万マイルを走行
最初の100万マイルまでは、1年半かかったが、最期の100万マイルは6ヶ月で達成。ちなみにUberは今年の9月に100万マイル達成。
【調達ニュース】
ヘルスケア
Syapse(San Francisco, CA) Series D $30M
がんのプレシジョン・メディシン向けのソフトウェア。電子カルテと遺伝子の情報を集めて、最適な治療のレコメンドを行う。また同社のソフトウェアを利用している医療機関をネットワーク化しており、医師は自分の属する病院だけではなく、ネットワーク全体のデータへアクセスすることが可能。
Ascension, GE, Intermountain, Safeguard Scientifics, Social Capital, Amgen, Medidata, Merck, Rocheから調達。
Arterys(San Francisco, CA) Series B $30M
医療系の画像データをアップロードすることによりAIによる分析を行うSaaSを提供。現在心臓、肺、肝臓のイメージをサポートしている。
Temasek, GE Ventures等から調達。
LeanTaaS(Santa Clara, CA)Series B 26M
機械学習を使って患者とのアポイントメントや治療を最適化。現在Stanford Health Care, UCSF等40以上の医療機関で利用されている。
Insight Venture Partnersから調達。
1MData(Beijing, China) Series B $15M
手書きのデータも読み取れるEMR(Electronic Medical Record)プロダクトを開発。
Shenzhen Guozhong Capital Venture Managementから調達。
Catalia Helath(San Francisco, CA) Pre-Series A $4M
慢性疾患を患っている患者向けのコンパニオンロボットMabuの開発とサービスの提供。
Ion Pacific, Khosla Ventures, NewGen Ventures, Abstract Ventures等から調達。
Prognos (New York, NY) Series C $20.5M
患者の検査データや診察データを分析し、糖尿病、喘息、肺がん等の病気を早期発見する。これまでに130億の検査データと1.8億人の患者のデータを使ってアルゴリズムを開発。
Cigna, GIS Strategic Ventures, Hermed Alpha Industrial, Hikma Ventrues等から調達。
IoT
TRAXX (Seattle, WA) Seed US$1M
医療用冷蔵庫の故障を予測する。医療用冷蔵庫は数億円のサンプルや薬を格納しており、故障をすると数億円の損害が発生する。年平均15%の冷蔵庫が故障する。
エンジェル投資家から調達。ClimaCell (Boston, MA) Series A $15M
無線通信のネットワークから取得したデータを分析し天候の状況を把握。同じエリアでも道ごとの天候の状況をリアルタイムで取得できる。過去のデータから将来の天候の予測も可能。航空、リテール、交通、さらには自動運転等でのデータの活用を狙う。
Canaan Partners, Fontinalis Partnersから調達。
リテール
Lightform (San Francisco, CA) Series A $5M
コンピュータビジョンを使い、プロジェクターの前の物体を3次元で読み取り、物体や空間に合わせたプロジェクトマッピングを簡単に行うことができる。3次元読み取りセンサーとソフトウェアを提供。
Lux Capital, Dolby Family, CrunchFund, CometLab等から調達。
コアAI
Kneron (San Diego, CA) Series A $10M
エッジサイドのAIチップ群(ASIC, NPU)とSDKを提供し、クラウドへのデータ送信なしに、エッジ側でニューラルネットワークを走らせるテクノロジー。
Alibaba Entrepreneurs Fund, CDIB Capital Group, Himax, Qualcomm, Thundersoft, Sequoia, CY Zoneから調達。
コピュータビジョン
Playment(Bangalore, India) Seed $1.6M
25万人のメンバーを抱える画像・動画のタグと脚注付けを行うクラウドソースプラットホーム。Flipkart, Paytm, Alibabaグループなど30社を顧客に持つ。現状70%は自動運転関連の仕事。これまでに5000万のタグ付けを行い、現在は毎日100万のタグ付けを行うことができる。
CloudWalk(Shanghai, China) Series B $75M
顔認識テクノロジー。Bank of Chinaで利用されている。今年の7月には、物議を醸し出した犯罪の発生確率を予想するアルゴリズムを発表している。
Shunwei Capital, Oriza Holdings, Puhua Capital から調達。
Bird.i(Glasgow, Scotland) Seed $2.6M
衛生、航空、ドローン画像の解析サービス。現在は、工事現場、インフラストラクチャープロジェクト、ロジスティクスで利用されている。
Accelerated Digital Ventrues, Concrete VC, Frontline Ventures, Satellite Application Catapult Services等から調達。
SenseTime (Hong Kong) Series C $227M
コンピュータビジョンテクノロジーとディープラーニングテクノロジを開発。顔認識や言語解析、車を含む様々なオブジェクトの認識に活用されている。Qualcomm, NVIDIA, UnionPay, Sina Weibo, Huawei, Xiaomiを含む400社以上に技術を提供している。
Alibabaから調達。
ボイス
AISense(Los Altos, CA) Series A $10M
音声からテキストをおこす技術を提供。会話分析、話し手の特定、検索機能を提供。ビデオ・ボイスカンファレンスのZoomとの提携を発表。
Horizons Ventures, Draper Associates, Draper Dragon Fun等から調達。
Roxy (Seattle, WA) Seed $2.2M
ボイスインタフェースをユーザに提供したい企業に対して、デバイスとボイスインタフェースを提供。企業は、データをAmazonやGoogleと共有しなくともボイスインタフェースを提供可能。現在10のホテルが有料でパイロット実施中。
Highway 1, Alchemist, Betaworks, Genesis等から調達。
フィンテック
TrueAccord (San Francisco, CA) Series B $22M
データを活用した債権回収プラットホーム。債務者に合った支払いプラン・タイミングを提案。LendUp, yelp, upworkなどが顧客。
Arbor Ventures, Nyca Investment, Assurant, Caffeinated, Flicis等から調達。
Kabbage (Atlanta, GA) 信用枠 $200M
中小企業へのローンを提供。ローン額・金利はアルゴリズムを使って判断。データポイントは150万。平均的なローンは20万ドルで、これまでに12万5000のビジネスに対して$3.5Bのローンを行った。
Credit Suisseから信用枠で調達。
Active.ai(Singapore) Series A $8.2M
銀行向けのチャットボットプラットホーム。Facebook Messenger, LINEに対応。
Vertex Ventures, CreditEase等から調達。
ロボティクス
- bossanova(San Francisco CA) Series B $17.5M
店舗向けの棚の在庫情報収集ロボット。Walmartの50店舗の棚の在庫の把握・解析用に導入予定。
Paxion, Intel, WRV, Lucas Ventures Group, Cotaから調達。
- Ubtech(Shenzhen, Guangdong, China) Series C $400M
教育、コンパニオン、サービスロボットを開発。コンパニオンとサービスロボットは人型。
Tencentから調達。
- Locus Robotics(Wilmington, MA) Series B $25M
Eコマース企業の倉庫内のピッキング業務の補助ロボット。顧客のDHL Supply Chainによると1従業員あたりの1時間にピッキングできる量が2倍に増えた。
Scale Venture Partners等から調達。
- LabGenius(London, UK) Seed $3.66M
ステルスモードのスタートアップの為、詳細は不明。合成遺伝学を学習し自動で実験を行うエンジンを開発しているようだ。
Kindred Capital, Acequia Capital, Backed VC, Beast Ventures等から調達。
データ・データ分析
Behavox(London UK)
社内のコミュニケーションを分析し、企業カルチャーに影響を与える要素や、生産性、コンプライアンス上のリスクを自動で検知する。
Citigroup, Index Venturesから調達。
HR
- Woo(Tel Aviv, Israel and San Francisco CA) Series A $7M
Wooは、受動的な求職者と企業のジョブマッチングプラットホーム。同社はAIボットHelenaを開発。Helenaは企業の代わりとなって、最適な求職者にアプローチしインタビューまでもってくる。また、求職者がパスした場合の理由や類似企業の求人広告を元に、自社の求人広告の最適化も提案。これまでの結果では、人間のリクルーターがやった場合はソーシングからインタビューの割合が20%だったところが、Helenaでは52%まで改善した。
UBER, Lyft, Quora, ipsy, Microsoft, wework等が利用している。
Lord David Alliance等から調達。
自動車・交通
- TuSimple(Beijing, China) Series C $55M
Level 4の自動運転トラックテクノロジーを開発。
Fuhe Capital, Zhiping Capital, SINA Corporationから調達。
- Less(Paris, France) Series A $19M
通勤用のライドシェア。同じルートを行くユーザをマッチング。Criteoの創業者が始めた。現在、パリでサービス提供中。
Index Ventures, Daphniから調達。
- Natilus(Richmond, CA) ステージ・金額不明
貨物船の17倍早く、Boeing 747の半分で運送できる自動飛行可能な運送用飛行機を開発。
Starburst Ventures, Seraph Group, Gelt VC, Outpost Capital,Draper Associatesから調達。