[Hike VC News] AI導入プレイブック/Amazon GOの野望/Skypeがリアルタイム翻訳&字幕/AI人材のGAFA集中は本当か?/AI関連資金調達(25件)

[Hike VC News] AI導入プレイブック/Amazon GOの野望/Skypeがリアルタイム翻訳&字幕/AI人材のGAFA集中は本当か?/AI関連資金調達(25件)

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Hike Ventures NEWSLETTER Vol.34 (12/19)


Google Brainの共同創業者、過去にBaiduのチーフサイエンティストを務めたAndrew AgがAIトランスフォーメーションプレイブックを公開しました。企業内でAIプロジェクトを進める上で大事なことを簡潔にまとめています。パイロットプロジェクトを開始し、社内での温度感を高め、社内のAIチーム構築への足がかりにするなど、どこから手を付ければ良いのか?という普遍的な問いに対してシンプルな解決案の方向性を紹介しています。社内で何かAIプロジェクトを進めるという漠然としたミッションを持つ人が増える中、このようなサポートコンテンツは役に立ちます。また、今回のAIブームは再び冬の時代を迎えるのでなく”ずっと続く春(Eternal Spring)”になることを願い、AIのできない側面に着目するのではなく、AIが得意な部分を理解し導入するガイドブックとして活用してほしいという願いも込められています。

また、AI導入で大事なデータネットワーク効果(弊社ブログも参照)に関しても言及しています。プロダクトを提供し、ユーザーを集め、データを獲得する。獲得したデータからプロダクトを改善し、より多くのユーザーを集め、より多くのデータを獲得する。このサイクルが循環するとプロダクト自体の競合優位性にも繋がり、プロダクト自体の価値も高まります。あくまで、AI導入に終わらず、再学習のプロセスを運用面で補う人的努力もAIプロダクトを育む上で重要となります。

 
イメージは、 AI Transformation Playbook より

イメージは、AI Transformation Playbookより

 

【トピックス】

リテール

ボイスファースト

  • Skypeがリアルタイム字幕機能のテストを開始
    マイクロソフトのSkypeが音声通話、ビデオ通話の際に音声認識⇒翻訳⇒字幕表示をリアルタイムで提供できるアップデート内容を発表。Skype version 8から対応予定。通話中に字幕をさかのぼって確認できるなどの簡易議事録としても便利になる。

  • Amazon Alexaが自己学習で会話ができるようになる
    会話を理解出来ないなどのエラーを自己学習で克服する試み。人為的なアノテーションを必要とせず、あくまでAlexa自身がエラーを理解して克服する仕組みにシフトする模様。会話の途中で意味不明な応答になるなどのコンテクストの一貫性、設置場所における使われ方の予測から不具合を察知し、Alexa単体で修正するテストを開始する

ヘルスケア

  • AlbertsonsがAIメディカルクリニックをフェニックスに開設
    Safeway(スーパーマーケット)が、5店舗でAIクリニックを開設。フェニックス拠点のデジタルヘルスケアスタートアップAkosの協力の元プロジェクトをスタート。モニターの前に座り簡単に利用できるFDA承認を受けたデバイスを装備し、ARで手順をアドバイスされながら各種必要なデータをその場で計測。また、いくつかの簡単な問いに答えることで問診を完了させる。自動で電子カルテを作成し、必要であれば処方箋も発行するなど、ほぼ人が介在すること無く完結する仕組みを目指している。

  • Amazonが患者の医療データを検索するソフトウェアの提供を開始
    医療器具の販売等で医療関連領域へ進出をしてきたAmazonが患者の医療記録から治験に適した患者の検索や、特定疾患患者カに対して行った施術内容の検索改善が可能に。

  • フィンランドのAIリサーチャーがInstagramに投稿されるインフルエンザ関連の情報が過去のパンデミック情報と強い相関性があることを発見
    インフルエンザのタグと画像を分析し、過去のパンデミックのヒストリカルデータを作成した。Research内容はarXiv preprint repositoryにて公開されている。

  • SubtlePET(陽電子放射断層撮影装置)の効率化に寄与するシステムがFDAの承認を得る
    Subtle Medical社のSubtlePETがFDAの承認を得た。また、ヨーロッパにてCEの基準適合も満たし、ヨーロッパ、北米でのサービス提供が可能になった。
    SubtlePETは従来スキャンの所要時間が30分ほどかかるPET検査所要時間を1/4に短縮することができる。

  • スタンフォード大学のリサーチャーが音声認識と顔認識から鬱の兆候を判定するソフトウェアを開発
    元Google Fei-Fei Li率いるチームが80%以上の精度で鬱の兆候を判定するシステムを開発した。この機械学習のモデルは匿名化されたデータでトレーニングを重ね、3D顔認証機能付きのスマートフォンであれば利用ができる。

モビリティ

  • Lyftが緊急性の低い患者の病院への移動をサポートするプロジェクトを開始
    Megan CallahanがLyftのヘルスケア文門のトップに就任。Meganは昨年McKessonに買収されたChange HealthcareのCSO。LyftはMeganの採用とともにヘルスケア分野のモビリティに関わる事業を開始し、ARR$1B規模の事業部になるべくリソースを投下する。Uberでも同領域における取り組みを今年初旬に開始しため、Uberと同分野においても競合となる。

  • 人に優しいデザインのPostmates自動走行配達ロボ「Serve」がデビュー
    配送ロボットは次の動きが周りから見ると予測し難いことから、公道での利用は制限されてきた。Serveは目の動きからや方向信号で動きを周りに伝えり、道を譲る機能を追加するなど工夫がしてある。今後ロサンゼルスでテスト導入される予定。

気になるニュース

  • Qualcomm Venturesが$100M規模のAIファンドを設立
    1号案件として、コンピュータービジョン・顔認識関連のソフトウェア会社AnyVisionlinへ投資を実行。

  • Huant.aiとIncscilio Medicineが眼の画像から年齢を判定するシステムを開発
    PhotoAgeClockと呼ばれるシステムは、ビジュアルバイオマーカーから人の年齢に関連する情報を分析し、誤差2.3年ほどの精度で年齢の予測ができるようになった。この仕組はアンチエイジングのパーソナライズトリートメントに活かされると考えられている。

  • コーネル大学のリサーチャーとBloomsbury Publishingがファッショントレンドを予測するAIシステムを開発
    Bloomsburyが保有するファッション写真をデータソースとして用い、トレンドを予測への取り組みを開始した。

  • FacebookとMITのリサーチャーが共同でアドレスを付与するアルゴリズムを開発
    40億人もの住所を持たない人にサテライト写真から住所を付与する仕組みを開発

  • Nvidiaが写真からゲーム内のグラフィックを生成する機能を紹介
    実世界を写真からレンダリングしゲーム内のグラフィックとして取り入れる仕組みを紹介。自動運転の開発過程で得た動画データセットを学習データとして利用した。

  • AI人材は大手テック企業に集中しすぎることはない?
    Diffbotのレポートによると、業界人が恐れているほどAI人材がテック大手企業へ集中することはないというレポートを公開した。約72万人いるAIタレントのうちテック大手上位10社が約10%の人材を保有しいているが、1,000人以上のAIタレントを抱える企業は100社程存在する。また、200名程AI人材を抱える企業は750社ほどあるため、大きく偏って独占して採用されているわけではない様子。

  • MicrosoftがキュレーションアプリHummingbirdをリリース
    AIを用いたパーソナライズドニュースキュレーションアプリをリリースした。
    Googleも5月に同様なアプリをリリースしている。キュレーションニュースアプリの分野にテック大手企業が触手を伸ばしてきている。

  • IBMとHello Tractorがアフリカ農業従事者向けサービスを開始
    アフリカの農業従事者向けにデジタルウォレットと意思決定支援ツールのテスト導入を進める。プロジェクト自体は2018年TechCrunch Startup Battlefeild Africaの際に発表された。

  • テイラー・スウィフトはストーカー検知にAIを活用
    2018のツーアーの際にライブ会場キオスクに顔認証アプリをインストール。数百名のストーカーリストのイメージとマッチする人は出てこなかったが、新しい試みであった。

  • VAARKのAI万引きGメン、犯人逮捕に貢献
    万引き犯の行動を学習したVAARK(日本にスタートアップ)の開発するVAARKEYEが犯人逮捕に貢献。実証実験の効果は抜群であった。


【調達ニュース】

モビリティサービス・オートモーティブ

  • Wise Systems, (MA, US) $7M
    自動配送におけるルート最適化ソフトウェアの開発。
    Gradient Ventures, E14 Fund, Neoteny, Trucks VC and Fontinalis Partnersなどから調達

  • Vogo (India) $100M
    インドでスクーターレンタルサービスを提供。5月にインド版Uber Ola, Matrix Partners等から資金調達を実行したが、Olaがで$100Mの追加投資を実行

  • Parallel Domain (California, USA) Seed Round $2.65M
    バーチャル空間で自動運転のトレーニングを行うソフトウェアの研究開発。実際の地図情報を用いて交通状況のシュミレーションを行う。
    Toyota AI Ventures, Ubiquity Ventures等から調達

  • Grab (シンガポール) Series H $650M
    東南アジアで配車アプリの提供を行うGrabは10月から調達を進めてきたSeries H Roundにて、新たにヤマハ発動機から$150Mの調達を実行。二輪車提供を強化するための戦略的商務提携を締結。

コンシューマー

  • SnapTravel (Toronto, Canada) Series A $21.2M

    トラベルアシスタントアプリ。宿泊予定日、ロケーションからSnap Travelのボットが会話を通じてディスカウント可能な宿泊プランを提案。

  • ByteDance (Beijing, China) Venture Round $1.4B
    TikTokを提供するByteDanceがAI×メディアプロダクト強化へ向けて大型の資金調達を実行。世界での月間アクティブユーザーは推定5億人+。9月にSoftbank Vision FundとKKR等から$3B出資で約$75Bもの時価総額をつけたと話題になったが、追加で$1.4Bと大型の調達を再度行った

IOT

  • Hypergiant Sensory Sciences (Texas, USA) Seed Round $5M
    センサーネットワークとディープラーニングを用いた物理環境のモニタリングソフトウェアを提供。石油関連会社等で輸送時のトラッキング、異常パターン検出等でセキュリティ面へのソリューションから提供を開始する。
    Align Capital, Capital Factory, GPG Ventures, エンジェル投資家などから調達

ヘルスケア

  • Myia Labs (California, USA) Seed Round $6.8M
    慢性疾患モニタリングプラットフォームの提供。ウェアラブルデバイスから鼓動、呼吸、睡眠情報などを取得しデータの変動に対してアラートを出す。
    BootstrapLabs, Zetta Venture Partnersなどから調達

  • Bios (Cambridge, UK) Seed $4.5M
    ニューラルインターフェースの構築を目指す。同社が現在開発している視神経に接続する切断患者の補綴操作インターフェースの治験も始まる模様。また、資金調達のタイミングで開発拠点をモントリオールにを開設。
    Real Ventures, AME Cloud Ventures, Ariel Polerなどから調達

  • K Health (NY, USA) Series B $25M
    AIを用いた初期診療をサポートプラットフォームの提供。過去20年の約10億程のヒストリカルデータからユーザーの初期症状に似た症例のマッチングを行う。
    14W, Comcast Ventures, Mangrove Capital Partners, Lerer Hippeau, BoxGroup, Max Venturesなどから調達

リテール

  • Farmstead (California, USA) シリーズ不明 $2.2M
    60分で新鮮な生鮮食品を届けるデジタルスーパーマーケット。FreshAIという需要予測エンジンをB2B向けに提供し、食料品を扱う店舗の在庫最適化を自社サービスとセットで提供することを目的としている。
    Artis Labs, Resolute Ventures, Y Combinator, Red Dog Capital等から調達。

スポーテック

  • Freeletics (Munich, Germany) Series A $45M
    3,100万人以上のユーザーを抱えるモバイルフィットネスコーチの提供。AIアシスタントを導入したトレーニングプログラム強化に向けて資金調達を実行。160カ国以上の地域にユーザーが存在する。
    FitLab, Causeway Media Partners, JAZZ Venture Partners, San Francisco 49ers, Boston Celticsなどから調達。

エンタープライズ

  • Wave Computing (California, USA) Series E $86M
    GPU, CPUのコアプロセッサーを必要としないDPU(Dataflow Processing Unit)をベースとしたディープラーニングに特化したモデリングとトレーニング環境を提供。ONNX対応のため、Chainer, TensolFlowなどのフレームワークもサポート可。
    Oakmont Corporation等から調達。

  • MondoBrain (Virginia, USA) Series A, $13.3M
    意思決定支援プラットフォームの提供。産業問わず適用可能なエンジンはデータからシナリオに基づき結果を予測し、意思決定支援を行う。
    Japiaをリード投資家とし、漁業関連業者等含め多数の個人投資家ら調達。

  • Forge.AI (Massachusetts, USA) Series A $11M
    非構造化データを機械学習に最適なデータに変換するソフトウェアの提供。金融機関・政府機関を主体にサービス提供を行う。
    Underscore VC, Accomplice, Boston Seed Capital, Imagination Capital, Project 11 Ventures等から調達。

  • Workato (California, USA) Series B $25M
    ワークフローマネジメントの自動化プラットフォームの提供。Mulesoft, SnapLogic, MicrosoftのLogic Appsなどと連携しルーティーンの自動化が可能。
    Battery Ventures, Storm Ventures, ServiceNow, Workday Ventures等から調達。

  • Forethought (California, USA) Series A $9M
    カスタマーサポートエージェントの提供。Zendeck, Salesforce, Front等に連携しデータ取得をするため、導入が簡単に行えるのが特徴。
    NEA, K9 Ventures, Village Global, エンジェル投資家等から調達。

  • Pindrop (Atlanta, USA) Series D $90M
    コールセンター向けの不正検知ソフトウェアを提供。コネクテッドデバイスの音声を対象に同等のサービス提供へ向けて資金調達を実施。また、同タイミングで国際化も進める。
    Vitruvian Partners, Andreessen Horowitz, IVP, Dimension Data, CapitalG, GV, Citi Ventures, Goldman Sachs等から調達。

  • FortressIQ (California, USA) Series A $12M

    プロセス自動化の模倣学習プラットフォームの提供。今までステルスでサービステストを進めてきたが、資金調達と同時にコンセプトを発表。RPAの一歩先の動作を学習できる模倣学習(イミテーションラーニング)を主体とするのが特徴。
    Lightspeed Venture Partners等から調達。

  • Guru (Philadelphia, USA) Series B $25M
    AIを用いた情報共有プラットフォームの提供。従業員の職種に関連する情報をなにもしなくても提供してくれるサービス。約800社で利用されている。
    Thrive Capital, Slack Fund, FirstMark等から調達

  • AtScale (California, USA) Series D $50M
    データウェアハウスのビジュアライゼーションプラットフォームの提供。AtScaleは大量のデータをBIツールに連携するサポートを得意とする。
    Morgan Stanley, Storm Ventures, Atlantic Bridge, Wells Fargo等から調達

マーケティング

  • Ada (Toronto, Canada) Series A $19M
    AIを用いたチャットボットの開発。主にコールセンターや顧客からの問い合わせ対応に従事するエージェントの研究開発を行っている。
    Bessemer Venture Partners, FirstMark, Version One Ventures等から調達。

リーガルテック

  • Blue J Legal (Toronto, Canada) Series A 7M
    雇用法や税法に関する解決困難な分野の法的解釈を予測するソフトウェアの提供。
    Relay Ventures, LDV Partners, Mistral Venture Partners, BDC Capital等から調達。

ロボティクス

  • Wandelbots (Dresden, Germany) €6.5M
    センサー付きのジャケットを人が着用し、アクションをロボットに教えるプラットフォームの研究開発。
    Paua Ventures, EQT Ventures, Atlantic Labs等から調達

 
写真は Wanderlbot  HPから。

写真はWanderlbot HPから。

 

AI周辺テクノロジー

  • Graphcore (Bristol, UK) Series D $200M
    AI特化のチップの研究開発。IPU(Intelligent Processing Unit)を用いた次世代チップはクラウドのビックデータ分析で利用されている。ハードウェアへの実装は今後のマイルストーンに入っている。Series D仕上がり後の時価総額は$1.7B。
    ストラテジックパートナーとしてBMW, Microsoftを含め既存投資家Atomicoなどから調達


【M&A】

  • Medtronic (NYSE: MDT) が栄養関連データの分析を行うNutrino買収

  • HPがオンプレミス、クラウド、ハイブリッドな環境で機械学習を簡易に導入する支援ソフトを提供するBlueData買収